音楽誌表紙に見る90年代V系ヒストリー Vicious編

私たちのバイブル「Vicious」

過去のコラムに"音楽誌表紙に見る90年代V系ヒストリー"という記事がある。今回は、その続編として"Vicious編"をお送りする。Viciousは、V系とも関わりが深いシンコーミュージックから、B-PASSの増刊号として1993年に創刊。美麗なグラビア、アーティストの内面に迫ったインタビュー、主催イベント開催、企画CDの発売、ライバル誌に負けぬ独自の色をもった素晴らしい音楽誌で、筆者も愛読していた。また、TV番組とラジオ番組も放送し、貴重なインタビューシーン、ライブ映像、未知のインディーズバンドなどをV系ファンに届けてくれた。インターネットが普及する前の時代、Viciousは情報に飢えていたV系ファンにとって神のような存在だったのだ。多くの読者を獲得し、FOOL'S MATEやSHOXXと共にV系シーンを支えたが、残念ながら2001年に休刊した。そんなViciousの表紙を見ながら、1993年から1999年までのV系史を、カバーアーティストを中心に大まかに振り返っていきたいと思う。


1993年

記念すべき創刊号の表紙は、ZI:KILLのヴォーカリスト TUSK。93年のZI:KILLは、ラストオリジナルアルバム「ROCKET」をリリース。LADIESROOMは、日本武道館公演を成功させノリに乗っていた。DIE IN CRIESも日本武道館公演を成功させ、名盤「Eros」もリリースした。

1994年

94年。かつて黒系/白系の始祖として、人気を二分していた黒夢とL'Arc-en-Cielがメジャー進出。黒夢を発端とした"脱・黒服現象/フェミ男の変"がおこり、ヴィジュアル系は変革の時を迎える。BODYは、元D'ERLANGERの瀧川一郎と菊地哲が中心となった伝説のバンド。鮮烈のデビューを飾るも、わずか数ヶ月で解散してしまう。BY-SEXUALは、ヴォーカリストSHOが失踪。翌年に脱退する。

1995年

95年。GLAYは「Freeze My Love」「ずっと2人で…」「Yes, Summerdays」「生きてく強さ」などスマッシュヒットを連発。名盤「SPEED POP」もリリースし、ブレイク寸前。メジャー2nd「No Problem」をリリースしたREDIEAN;MODEのSHINYA、シングル「Dear song」でメジャーデビューを飾ったEins:VierのHirofumi、ミニアルバム「BOYS」「GIRLS」をリリースしメジャーデビューしたSOPHIAの松岡充、シングル「RAIN」でメジャーデビューを飾ったSIAM SHADEのCHACK、そんな4人が並んだカバーも印象的だ。赤いエナメルの軍服に身を包んだHAKUEIが美しすぎるPenicillinは、メジャーデビュー直前。

1996年

96年。黒夢は「BEAMS」に続き「SEE YOU」もヒットさせブレイク。L'Arc-en-Cielも「flower」などヒット曲を連発し、ブレイクした。GLAYは名曲「グロリアス」「 BELOVED」を大ヒットさせ、その人気は一般層にまで浸透した。Penicillinは、メジャーデビューシングル「Blue Moon / 天使よ目覚めて」をリリース。

1997年

97年。ROUAGEはシングル「Queen」でメジャーデビュー。メジャー2nd「絵〜エマダラ〜斑」をリリースしたLaputaのaki、「Ivory trees」でメジャーデビューを果たしたLa'cryma ChristiのTAKA、メジャーデビューシングル「Melty Love」が大ヒットし一躍時の人となったSHAZNAのIZAM、シーンの寵児が並ぶカバーは豪華絢爛。

1998年

メジャー1st「ONE -one for all-」をリリースしたFANATIC◇CRISIS、伝説のライブとなった横浜アリーナ公演を大成功させたMALICE MIZER。V系四天王がカバーを飾る。ヴィジュアル系バブル花盛りの年だ。

1999年

PIERROTは、メジャー1st「FINALE」をリリース。フェスでの過激でロックなMCも印象的だった。Dir en greyは、X JAPAN YOSHIKIプロデュースのシングル「アクロの丘」「残-ZAN-」「ゆらめき」 を3枚同時発売しメジャーデビュー。音楽番組でのパフォーマンスも話題になった。メジャーデビューシングル「花咲く命ある限り」をリリースしたRaphaelのYUKI、メジャーデビューシングル「RED ZONE」をリリースしたJanne Da Arcのyasu、「みかんのうた」をヒットさせたSEX MACHINEGUNSのAnchang、メジャーデビューシングル「fiançailles 〜フィアンサーユ〜」をリリースしたLAREINEのKAMIJO、この年もシーンの寵児がカバーに華を添える。

 近年、90年代ヴィジュアル系バンドにはまる若い世代が急増しているという。聞くところによると、当時ヴィジュアル系に熱狂していた親の影響を理由にあげる人が多いとのこと。また、リビングレジェンド"X JAPAN"や”LUNA SEA”などの活動を通して興味を持つ人も多いのではないだろうか。あるいは人と違う趣味を持つことで"個性の証明"をする若者特有の心理に、90年代ヴィジュアル系がフィットしているのかもしれない。理由はなんにせよ、あの時代を生き、あの時代を愛する人間にとっては、とても喜ばしいことだ。ヴィジュアル系考古学に少しでも興味を抱いたのであれば、音源や映像作品に加えこういった文献にも触れ、さらに深く"あの時代"の匂いを感じ取ってみてはいかがだろうか?

TEXT:管理人

2018年7月14日


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