90年代ヴィジュアル系のここがすごい!「友情 努力 勝利」編

90年代ヴィジュアル系の何がすごいのかわからない

90年代を象徴するムーブメントのひとつであるヴィジュアル系。90年代はヴィジュアル系の黄金期と呼ばれ社会現象にもなった。90年代ヴィジュアル系ムーブメントを牽引したレジェンド達は現在も一線で活躍し、当時を体験する事が出来なかった若いファンを取り込み続けている。しかし、伝説として語られるその一方で、インターネットなどでは「90年代のヴィジュアル系って何がすごかったのかわからない」「CDが売れる時代だったから流行っただけ」といった意見も散見される。今回のコラムでは、90年代ヴィジュアル系ムーブメントをリアルタイムで体感した筆者が"友情 努力 勝利"をテーマにその魅了を紐解いていきたいと思う。


友情 努力 勝利

王道少年漫画。いじめられっ子や不良など一般的に弱者/はみ出し者/落ちこぼれにあたる主人公が、強くなるために努力を重ね、ライバルや仲間と友情を深め協力し、自分たちよりもはるかに大きな敵に打ち勝ち、栄光を手にする物語を描いた漫画作品の総称である。こういった王道少年漫画と呼ばれる作品は今も愛され、世界中の人々を熱狂させ続けている。だがある人は言う、王道少年漫画は好きで感動はしたけど所詮は作り話、現実はそう上手くはいかない。このように思うのも無理もない、確かに現実は甘いものではない。ところが、それを実際にやってのけた少年たちがいる。そう、それが90年代にヴィジュアル系ムーブメントを巻き起こした彼らなのだ。


みんな無名だった だけど無敵だった

YOSHIKIが「どこにも属せない人たちが集まってヴィジュアル系と呼ばれた」と言うように、かつてヴィジュアル系は世間や大人から「あんなものロックではない」と言われイロモノとして扱われていた。しかし、筆者の目には全く異なって映った。音楽業界からはみ出し者と呼ばれながらも、自分たちの信念を貫き活動を続ける彼らの姿は、まさに王道少年漫画の主人公のようだったし、時には拳を交えて強力なライバルバンドと熱い友情を築き、一つの大きなシーンとなっていく様はあの"強敵と書いて友と読む"の世界を見ているようだった。──やがて、デタラメと呼ばれた彼らの歌は気合い(努力)で磨き上げられ、多くの若者の心を掴みミリオンセールを記録、そして社会現象にまで発展していく。「邪道だ」「ニセモノだ」と言われ、はみ出し者の烙印を押された彼らが、大人が支配する世界を席巻したのだ。それはまさしく王道少年漫画の主人公たちが努力と友情の果てに勝利へたどり着くストーリーそのもの、いやそれ以上の感動を与えてくれた。すなわち、ヴィジュアル系とは大人の凝り固まった常識では理解する事ができない、まったく新しいユースカルチャー/カウンターカルチャーであったのだ。


無駄だらけの そんな君の世界の勝ち

世間から批判や差別を受けていた彼らが、大人たちの世界で暴れまわり成功を手にする姿は、社会に不満だらけのティーンエイジャーだった筆者には痛快でならなかった。もちろんそれは筆者だけではないだろう、鬱屈した日々を送る多くの若者がそれに共感したのだ。マイノリティーがマジョリティーに勝つ瞬間、カウンターカルチャーがメインカルチャーに勝つ瞬間に私たちは狂喜した。──時は流れ、不良の音楽と呼ばれアンダーグラウンドだったロックは、身近なものとなった。それは核となる部分を失くさずロックというものを一般に広めたいと戦ったYOSHIKIやhideをはじめとするレジェンドたちの戦果のひとつであるのは言うまでもないだろう。日本の音楽史において90年代ヴィジュアル系ムーブメントが果たした功績はあまりにも大きい。


TEXT:管理人

2019年12月15日


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