La'veil MizeriA全肯定。90年代オールドスクールコテ系、その血を受け継ぐ者たち。

90年代オールドスクールコテ系

ヴィジュアル系黄金期と呼ばれる、90年代中期。

初期LUNA SEA/初期黒夢/MALICE MIZER/Merry Go Roundなどに影響を受けたバンドがシーンに増殖しはじめる。その後、そういったフォロワー群は「コテ系」と呼ばれるようになっていく。

彼らは前述したレジェンド達が作り上げた世界観/音楽様式の上に成り立つバンド、すなわち様式美/王道路線を持つバンド達なのである。

黄金時代前期のV系バンドに代表されるダーク/退廃的/耽美的な世界観とサウンドの王道要素を、盛んに取り込み誇張したようなスタイルを持っているのが特徴だ。

その名の通り、ベタベタでコテコテのV系バンド「コテ系」なのだ。


V系バブル/コテ系の隆盛

90年代後半。

レジェンドバンド達がメジャーフィールドでも快進撃を続け、一般層も取り込みV系は社会現象となっていく。いわゆるV系バブルと呼ばれる時代の到来である。

V系四天王などメジャーシーンでの活躍が目立つ中、インディーズシーンでは無数のフォロワー達がうごめいていた。

その中でも一大勢力となっていたのがコテ系バンドであり、そのバンド群を牽引するのが世紀末のヴィジュアルシーンを彩った三強レーベルなのだ。

その三強レーベルとは、1996年にKAIKIが設立したSoleil、続く1997年にKISAKIが設立したMatina、SPEED-iDのEUROがプロデューサーを務めたKEY PARTYである。

多くのコテ系バンドを世に送り出したレーベルではあるが、そういった動きを「ブームに便乗した青田刈りだ」「ブーム終焉となった要因の一つ」と批判する声も少なくはなく、実際にオリジナリティーに乏しくクオリティーが低いバンドも多く見受けられた。

しかし、中にはメジャーバンドには出せない魅力を持ったバンドも存在した。

スキルフルなバンドには出せない勢い、ハイクオリティーな作品には醸し出す事のできない味わい。

「未完成という名の完成」がそこにはあったのだ。

そのようなバンドを愛する"B級映画好き"ならぬ"ポンコツV系好き"という好事家も存在し、現在も語り継がれカリスマとされるバンドもいる。

また余談ではあるが、その後の趣味趣向を左右する十代の時期とコテ系ブームが重なった者にこの手の好事家が多い。


その血を受け継ぐ者

あれから約20年の時を経た、2018年。

現在のヴィジュアル系シーンに、その血を受け継ぐ者たちが存在するのはご存知だろうか?

彼らの名はLa'veil MizeriA

2013年頃から始動し、2017年にStarwave Recordsから全国流通音源をリリース。

メンバーが過去に在籍していたFrowzier/Evil/サディスマリィなども含めると、そのキャリアは決して短くはない。

流行の移ろいが激しいシーンの中で、長年このスタイルを貫いてきた姿勢には敬意の念を抱く。


彼らのヴィジュアルパフォーマンスとサウンドは、紛れもない90年代オールドスクールコテ系スタイルにあたる。

ヴィジュアル、サウンド、アートワーク、コンセプト、細部に至るまで徹底したこだわりを感じる。どこまでもコテ系ルールに忠実なのだ。

近年、90年代コテ系回帰の動きはいくつか存在したが、彼ら以上に純粋な血統を感じた事はなかった。

90年代後半コテ系全盛期から、オサレ系やサブカル/アングラ系に押され絶滅寸前に追い込まれた00年代初頭のコテ系氷河期。その時代への愛情と信念を彼らから感じ取る事ができる。


新メンバーが加入し、現在のラインナップは祈狂 -kikyo- Vocals/邪鬼 -jaki- Guitar/ミリア -milia- Bass/渚月 -nazuki- Guitar。


90年代オールドスクールヴィジュアル系回帰が、現代ヴィジュアルシーンへのカウンターとなり得るのか?


その鍵は彼らが握っているのかもしれない。

TEXT:管理人

2018年4月3日


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